カーブの形がかわいらしいフランスのクッキー、チュイール(トゥイル)をご存知でしょうか。 名前の知名度はそれほどではありませんが、多くの方が口にされたことのあるお菓子ではないかと思います。サクサクとした軽い口当たりは主役のお菓子としても、デザートの脇役としても人気があります。 今回は、噛めば噛むほど口の中に香ばしさが広がる、フランス菓子のチュイールについてご紹介いたします。

シェフパティシエ 中村 和史

1986年ホテルオークラ東京入社。
デリカテッセンに並ぶペストリーのほか、レストランやご宴会・ウエディングなど館内で提供される洋菓子全般を担当。
シェフパティシエ就任後は「伝統と革新」をテーマに、お客様に喜ばれる洋菓子を提供すべく、日々研鑽を重ねている。
趣味は野球観戦と、きれいな料理の盛り付け画像を探すこと。


サクサク美味しい!チュイール(トゥイル)の魅力

チュイールはフランス風のせんべいともいわれます。せんべいとはいっても、薄く材料を伸ばして焼くので、食感はサクサクとしています。おやつとしてはもちろん、デザートの付け合わせとして名脇役の役割を果たすこともあります。

チュイールとは

チュイールとは、小麦粉・砂糖・バター・卵白・スライスアーモンドなどをオーブンで薄く焼き上げた、カーブが特徴のクッキーです。一般的なチュイールの魅力と特徴は、スライスアーモンドが入っていることです。バターやアーモンドが香り高く、噛めば噛むほど豊かな味わいを愉しめます。

フランス語で「瓦」や「タイル」を意味していて、カーブが住宅の屋根を表していると言われています。南仏(プロヴァンス地方)の家屋の屋根に似ていて、可愛らしいお菓子です。 またラング・ド・シャととてもよく似ていますが、チュイールは瓦の形をしていることとアーモンドスライスなどを混ぜて作られることが異なる点です。 めん棒やワインボトルなどで型を取って、手軽に作れることから、アレンジしやすいお菓子として広く親しまれています。本国フランスでは、チュイール専用の型も販売されており、身近なお菓子として浸透しつつあります。 洋菓子店などで販売されているチュイールは、包装しやすいようにあまりカーブが付けられていないこともあります。
江戸時代、鎖国真っただ中の頃に、フランスから日本に伝わったと言われており、日本でもかなり古くから親しまれているお菓子の一つです。

チュイールの食べ方

チュイールは、そのまま単体でもよく食されます。バターの風味がほんのりフワっと香るので、そのまま召し上がる際には紅茶や緑茶ととてもよく合います。 また、簡単に作れること、軽い口当たりのお菓子であることから、他のデザートの付け合わせや飾りとして使用されることも多いです。 例えば、アイスクリームやパンナコッタ、プリンなどの付け合わせなどによく用いられます。


手軽で簡単!チュイール(トゥイル)の作り方

チュイールの材料

バター(無塩)…30g

卵白…100g

スライスアーモンド…100g

グラニュー糖…100g

薄力粉…35g

食塩…1g

チュイールの作り方

1.バター(無塩)を湯煎で溶かします。

2.卵白をほぐし、グラニュー糖・薄力粉・食塩を入れて混ぜます。

3.スライスアーモンドを入れ、つぶさないように軽く混ぜます。

4.1の溶かしバターを加えて混ぜます。

5.焼成紙を敷いた鉄板に、のばして敷きます。

6.160~170℃ほどに温めたオーブンで色が付くまで焼きます。焼けて剥がれて、曲げられる状態を目安にしてください。

7.焼きあがったら熱いうちに綿棒でカーブを付け、冷まして出来上がりです。

チュイールと言うと、私にはコース料理の最後にお茶とともに振る舞われる、小菓子の幾つかの中の一つとして、作っていた記憶があります。 数種類の生地が存在し、その生地ごとに特徴があり、鉄板に丸く薄く均等に広げる際に、異なるやり方をしていました。
最近では、デザートを構成する一つとして使用するようになっています。例えばオレンジ果汁をベースにしたチュイールをセルクルリング状(筒状)に焼成し、その中にビスキュイやクリーム、フルーツなどを詰めて仕上げたり、ムースのトップにさして飾ったりしています。

数々のお菓子もここ数十年で大きく変化しています。家庭や地域で作り続けられていたシンプルなお菓子が、プロフェッショナルの手によって新しい姿や新しい解釈、新しい味わいを得て、これからも変化・進化していくという事が分かるお菓子の一つです。


チュイール(トゥイル)のアレンジスイーツ

チュイールはアレンジのしやすさもポイントの一つです。
ご家庭で作られる際には、他のお菓子をつくった時に余った卵白の使用方法に困ったときに、家にあるもので手軽にアレンジしたチュイールを作れるアレンジをご紹介いたします。

◇ココナッツ

アーモンドの代わりにココナッツファインを混ぜるとココナッツチュイールにアレンジできます。 香ばしいココナッツの香りと独特の食感をお愉しみいただける一品に変身します。

◇チョコレート

生地に分量中の薄力粉の30%をココアパウダーに置き換え混ぜるだけで、チョコレートチュイールにアレンジできます。 パリッとした、アーモンドとは異なる食感が楽しめます。もちろん、香ばしいチョコレートの風味もしっかり味わえます。

◇フルーツピューレ

【材料:フルーツピューレのチュイール】

・フルーツピューレ…90g

・グラニュー糖…80g

・アーモンド(刻み)…80g

・薄力粉…60g

・溶かしバター…60g

配合順に容器の中に入れて良く混ぜます。冷蔵庫で4時間程度寝かせてから、焼成します。フルーツピューレを混ぜる事で簡単に作ることが出来ます。 作り方は上記4の溶かしバターを加える際にフルーツピューレも加えることでアレンジできます。フルーツの香りが広がり、カリカリとした食感を味わっていただけます。


お菓子作り初心者にもオススメ!瓦の形をしたフランス菓子チュイール

軽い口当たりと香ばしさから主役にも脇役にもピッタリなチュイールは、作りやすさ、アレンジのしやすさも人気の理由です。 混ぜて焼く、という基本的な製法で作ることができるお菓子なので、お菓子作り初心者の方にもおすすめです。様々な食べ物、飲み物とあわせてお気に入りの召し上がり方で試してみてはいかがでしょうか。

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