サバイヨン(仏語:sabayon)は、イタリア起源の卵黄を使用して作るムース状のクリームです。起源のイタリアでは、ザバイオーネ(Zabajone)と呼ばれ、ピエモンテ州の名物デザートを指すこともあります。日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、フランスでは料理にもデザートにも万能に使える欠かせないソースのひとつです。
そんなサバイヨンソースの起源や基本の作り方、おいしい使い方についてご紹介いたします。

シェフパティシエ 中村 和史

1986年ホテルオークラ東京入社。
デリカテッセンに並ぶペストリーのほか、レストランやご宴会・ウエディングなど館内で提供される洋菓子全般を担当。
シェフパティシエ就任後は「伝統と革新」をテーマに、お客様に喜ばれる洋菓子を提供すべく、日々研鑽を重ねている。
趣味は野球観戦と、きれいな料理の盛り付け画像を探すこと。


サバイヨンソースの起源と活用法

サバイヨンソースの起源

14世紀のイタリアにサバイヨンの起源となるレシピが残されており、当時は卵黄にワインを加えたカクテルで、日本の卵酒のような飲み物でした。やがて卵黄の分量を増やしソース状やクリーム状に変化していき、19世紀中期にフランスに伝わるとより洗練され、サバイヨンソースとして進化していきました。

サバイヨンソースの活用法

サバイヨンソースは、卵黄に水やお酒を加えて温めながら泡立てて作るソースです。砂糖を加えるか、塩を加えるかにより、スイーツにも料理にも使用されます。いちごやアスパラガスなど、果物や野菜にそのままかけるだけでも素材の味を引き立てる一皿が完成します。さらに、サバイヨンソースとしてだけではなく、ほかのソースのベースに用いられることもあり、応用のきくソースです。フランス菓子では、甘く、ふわっとしたコクのある味わいが特長で、デザートに広く活用されています。冷製のデザートに使うだけではなく、火を通すと焼き色が付いたり固まったりする特性を利用してフルーツグラタンも作ることができます。


サバイヨンを使ったシャンパーニュのムースの作り方とおいしい使い方

サバイヨンソースを活用したホテルオークラのシャンパーニュのサバイヨン

【材料】

シャンパーニュ…360cc

レモン果汁…3個分

レモン表皮…3個分

卵黄…300g

グラニュー糖…500g

ゼラチン…40g *ゼラチンの量はお好みで変えてください。

生クリーム…1,000g

シャンパーニュ…200cc

【作り方】

1.シャンパーニュ360ccを鍋に入れて温める。すりおろし器で細かく削り取ったレモンの皮、グラニュー糖(分量)をもむように混ぜ合わせる。
※この状態を長時間放置すると固まってしまうので、この作業は直前に行うこと。

2.卵黄とグラニュー糖を良く混ぜ合わせて白っぽく立つまでにかき混ぜる。

3.2に温めて置いたシャンパーニュを加えて、湯煎にかける。

4.卵黄が凝固する83℃程度まで湯煎にかけ、かき混ぜながら熱を加える。

5.粗熱を取り、60℃程度の温度に下がったらゼラチンを加えて、更に氷水で冷やす。

6.冷やした生地に風味付けのため、シャンパーニュ200ccを加え、8分立てしたクリームと合わせてムース状にする。

7.耐熱の器に、季節の果物を適度に切り揃えて入れておき、サバイヨンの生地を流し込み冷やし固める。

ホテルオークラ東京では、このレシピを基に「スーリーシャンパン」という商品を販売していました。サバイヨンソースが基になっているため、厚めのスポンジ生地の間に、このサバイヨンムースとフルーツを挟み、上部にイタリアンメレンゲを塗ります。そしてガスバーナーで焼き色を付けて販売しました。サバイヨンが耐熱容器などにフルーツとともに盛られ、オーブンで表面に焼き色を付けるというケーキを表現した仕上げ方です。


サバイヨンソースを作るコツ

作り方のコツは、湯煎で火を入れる際にホイッパーで空気を入れるように良く泡立てながら火を入れる点です。湯煎で火を入れるという事は、ある程度のタイミングで状態を確認するためにかき混ぜる程度で良いと思いますが、ホテルオークラ東京のサバイヨンを使ったムースの場合、火入れの際に常にかき混ぜながら熱を加える事で、とてもプリプリとした生地になります。その状態を維持しながら冷ましゼラチンを加えて、ホイップクリームと合わせていただくと、とても口当たりのなめらかなムースに仕上がります。

デザートとしてのサバイヨンソースは、基本的に白ワインで作りますが、ポートワインや今回の様なシャンパーニュなど、飲み切れずに冷蔵庫に置かれているアルコールを使用します。旬の果物などと相性を想像したりと、レシピの応用は無限にあり奥深いソースです。さまざまな素材とサバイヨンソースを組み合わせて愉しんでみてはいかがでしょうか。

関連記事